- エディターのおすすめ
- 16~17世紀、ヴェネツィア音楽の黄金時代を築き、音楽界を改革した作曲家。
クラウディオ・モンテヴェルディ
- ガブリエーレ・プロ、 アニマ&コルポ、 カルロッタ・コロンボ
バイオグラフィー
ルネサンスと新興のバロックの間にある音楽の断層線をまたいで、それら両方の陣営に足を踏み入れていたクラウディオ・モンテヴェルディは、昔ながらの“学問的”なスタイルの巨匠でありながら、メロディとハーモニーの限界を押し広げてオペラの可能性を最大限に引き出す“新鋭”作曲家でもあった。1567年にイタリアのクレモナで生まれたモンテヴェルディは、約四半世紀の間マントヴァのドゥカーレ宮殿に仕えた後、1613年にベネチアのサン・マルコ寺院の楽長という重要なポストに就いている。『Vespro della Beata Vergine, 1610(聖母マリアの夕べの祈り)』は、熱狂的で時折ほとんどオペラのような様相を呈する革新的な宗教音楽だった。しかし、ベネチアの人々が求めたのはオペラそのものであり、モンテヴェルディは1643年に亡くなる前、晩年にかけて、自身による歴史的なオペラ『L’Orfeo』を土台にしながら、彼の地に新設された、入場券を販売して興行を行う初のパブリックなオペラ劇場のために、作曲を続けた。その結果生まれた作品は、ドラマに対する天性のセンス、ウィット、そして深いヒューマニティが込められたものとなっている。またモンテヴェルディが遺した非常に読みやすい文字で書かれた手紙も、彼の人となりを伝えてくれる。