ハンガリーの作曲家バルトーク・ベーラは、ピアニストや民俗音楽学者としても活躍した。若いころに採集したハンガリー各地の農民音楽は、後の作風に大きな影響を与えた。1910年代には舞台作品の代表作、「青ひげ公の城」、「かかしの王子」、「中国の不思議な役人」を完成。その後も作曲技法は円熟を深め、弦楽四重奏曲第5番や 「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」 などを生み出した。1940年代に入るとナチスから逃れるようにアメリカへ亡命。1942年に健康を害したが、逆に創作意欲が高まり、「管弦楽のための協奏曲」 をはじめとした最晩年の傑作を発表。ここに20世紀を代表する作曲家としての地位を確立した。