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- 2018 · フランス国立管弦楽団、エマニュエル・クリヴィヌ、ベルトラン・シャマユ
ベルトラン・シャマユ
プレイリスト
バイオグラフィー
ピアニストを褒めるときにしばしば使われる“同世代で最も優れたピアニストの一人”という言葉は、もはや気持ちがこもっていない単なる常とう句のようになってしまったかもしれない。しかし、この言葉が持つ文字通りの意味は、Bertrand Chamayouというピアニストを紹介するのにぴったりであろう。1981年にフランスのトゥールーズで生まれたChamayouは、ディスコグラフィから感じられる以上に、幅広い音楽的関心を持つ演奏家だ。そのアイデンティティの中心にあるのはリストとラヴェルだが、彼の録音カタログの多くの部分は、メンデルスゾーン、シューベルト、フランク、サン゠サーンスなどの作曲家たちによるロマン派のレパートリーに占められている。また2022年のアルバムに収録したメシアンの『Vingt Regards sur l'Enfant-Jésus(幼子イエスに注ぐ20の眼差し)』は意外なチョイスと思われるかもしれないが、Chamayouは9歳で初めて聴いて以来、この作品に大きな影響を受け続けてきたという。事もなげに難曲を弾きこなす彼の驚異的な技術と修辞的なセンスは、2006年にリリースされたライブアルバム『Liszt: 12 Etudes D'Exécution Transcendante』で初めてはっきりと示され、同じくリストによる『Années de pèlerinage』を全曲録音した2011年のアルバムと、個性的かつ自然な誠実さが光る2016年の『Ravel: Complete Works for Solo Piano』で、さらに高められた。Chamayouの演奏は、タイトかつ柔軟性のあるリズムコントロールと明確な音楽的輪郭、そしてピアニスト的な色彩が組み合わされたもので、それらのすべては卓越した技術の上に成り立っている。