自ら不眠症であると語るピアニストBertrand Chamayouが、子守歌を集めた心に残るアルバムを作り上げた。2人の子供を持つ若き父親である彼は、しばしば真夜中に目覚めてベッドから抜け出してしまうという。本作の美しいプログラムは眠りと目覚めの間にある世界を愛でるものだ。選曲の幅は広く、Chamayouはおなじみのショパンやブラームスの子守歌と並べて、知られざる名曲や現役作曲家の作品も取り上げている。ブゾーニの『Elegies』から第7曲「Berceuse(子守歌)」はミステリアスな曲調でリスナーをまどろませる。米国出身の作曲家ブライス・デスナーによる「Song for Octave」(Octaveは彼の息子の名前)は、うっとりするようなピアノの響きが印象的な楽曲。そしてアルバムのラストに収録されたフランスロマン派の作曲家アルカンのプレリュードは、心を安らぎで満たしてくれる。熟練したChamayouの演奏は、それぞれの作曲家と楽曲の魅力を余すところなく表現する素晴らしいものだ。