ワレリー・ゲルギエフ

バイオグラフィー

ワレリー・ゲルギエフは、自身の芸術家としての名声を、順調に、そして最上級のレベルにまで高めてきた。2022年の2月にロシアがウクライナに侵攻するまでは。1953年にモスクワで生まれたゲルギエフは、伝説的な音楽教育者であるイリヤ・ムーシンの下で学んだ。20代半ばの1978年にサンクトペテルブルクの名門劇場であるキーロフ劇場(現在はマリインスキー劇場)の副指揮者となり、1988年からは同劇場のオペラカンパニーで芸術監督と首席指揮者を務めるようになった。そして、フィリップス・レコードからムソルグスキー『Boris Godunov(ボリス・ゴドゥノフ)』(1873年)やプロコフィエフの『War and Peace(戦争と平和)』(1946年)などの録音を次々とリリースし、高い評価を得る。これらの作品はロシア国外でも注目を集め、ゲルギエフは自国の音楽を精力的に演奏する指揮者としての名声を獲得した。オペラ以外では交響曲のコンサートで大きな人気を博し、2007年にはロンドン交響楽団の首席指揮者に就任する。そんなゲルギエフの解釈について、批評家たちの中には、粗雑で、細部に神経が行き届いていないものとして非難する向きもあるが、プロコフィエフやマーラー、チャイコフスキーの交響曲でのパフォーマンスは、彼がこのジャンルにおいても驚くほど優れた指揮者であることを証明した。ところが2022年、ロシアによるウクライナ侵攻を非難しなかったゲルギエフは、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者の任を解かれ、また出演が予定されていたコンサートも次々とキャンセルされた。一方、マリインスキー劇場の芸術監督としては引き続き腕を振るっている。

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