現代を代表するソプラノ歌手の一人であるルネ・フレミングがメトロポリタン歌劇場 (MET) で初めて歌ったのは1991年のことだった。本作は、それ以来この名門オペラハウスに250回以上も出演してきた彼女の、METデビュー30周年を記念したアルバムだ。収録されたのはMETでのライブ音源の中から自身がセレクトした32曲。モーツァルトの『Le nozze di Figaro(フィガロの結婚)』、ヴェルディの『Otello(オテロ)』、ドヴォルザークの『Rusalka(ルサルカ)』、コルンゴルトの『Die tote Stadt(死の都)』などをはじめとする名作オペラの中から、とりわけ魅惑的なアリアがピックアップされている。いずれの楽曲においても、フレミングならではのふくよかかつ艶やかな歌声の魅力と、豊かな表現力、そして並外れた技術が存分に発揮されており、2時間23分に及ぶ夢のようなひとときを満喫できる作品となっている。また、チェチーリア・バルトリ、スーザン・グレアム、ドミトリー・ホロストフスキー、ブリン・ターフェルといった歌手たちとの豪華なデュエットも聴きどころだ。
ソプラノ
指揮者