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- 2016 · アンドルー・マンゼ、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
バイオグラフィー
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団(RLPO)は、現存するイギリス最古のオーケストラであることと、世界最古のオーケストラの一つであることをうたっている。その起源が、1840年に設立された“音楽の科学と実践”を促進するための協会であったことを思えば、この主張に間違いはないと考えられる。スタートからの数十年間、同協会の歩みはジェットコースターのように激しく浮き沈みしたが、その後、クララ・シューマンやラフマニノフといったスターソリストや、マックス・ブルッフのような名指揮者を引き寄せることに成功した。そして第2次世界大戦中、他のオーケストラが人員削減や解散に踏み切る中、RLPOはそれとは真逆の勇気ある決断を下す。仕事を失った多くの優秀な演奏家たちの中から新たな団員を獲得して活動を拡大し、マルコム・サージェントを首席指揮者とする常設オーケストラへと生まれ変わったのだ。1945年までに、RLPOは紛れもなくイギリス最高のオーケストラとなり、アールデコ調の美しいホール(群を抜く音響の良さで知られ、オーディエンスとアーティストの近さも魅力)を本拠地とし、戦後に輝かしい未来を築くための準備を整えた。また録音にも積極的で、かつてはジョン・プリッチャード、チャールズ・グローヴズ、ヴァーノン・ハンドリー、最近ではワシリー・ペトレンコといった指揮者たちの下で、ヴォーン・ウィリアムズ、チャイコフスキー、ショスタコーヴィチなどの作曲家たちの交響曲全集をはじめとする、素晴らしいディスコグラフィを形成してきた。また、本拠地をリヴァプールとするRLPOならではの企画として、『Paul McCartney’s Liverpool Oratorio』(1991年)の初演も行った。2021年からは、ベネズエラ出身のDomingo Hindoyanが首席指揮者を務めている。