北欧ノルウェーの幻想的で希望に満ちた日の出を描写したグリーグの名曲『Peer Gynt Suite No. 1(ペール・ギュント組曲第1番)』の「Morning Mood(朝)」で始まり、マーラーの『Symphony No. 5(交響曲第5番)』の優しくも悲痛な第4楽章「Adagietto(アダージェット)」で幕を閉じる本作は、限りない広がりを持つクラシック音楽の世界への完璧な入門書だ。そして、このアルバムは、空間オーディオでリマスタリングされたことによって、これまで以上に素晴らしいサウンドと共にリスナーを音楽的発見にあふれた夢のような旅へといざなってくれる。ここでは、「G線上のアリア」としておなじみのバッハによる『Orchestral Suite No. 3(管弦楽組曲第3番)』の「Air(エール)」や、ヴィヴァルディによる『The Four Seasons(四季)』から『Spring(春)』の第1楽章「Allegro」といった、宝物のようなバロックの名曲に出会える。モーツァルトによる『Eine Kleine Nachtmusik(アイネ・クライネ・ナハトムジーク)』の快活な第1楽章「Allegro」や、『Symphony No. 40』の冒頭を飾る止めどない急流のような第1楽章「Allegro Molto」、天才作曲家の最後の作品である悲劇的な名作『Requiem』の「Lacrimosa Dies Illa」は、永遠の輝きを放っている。そして、エルガーの『Pomp and Circumstance(威風堂々)』の第1番「Land of Hope and Glory」や、ロッシーニの『The Barber of Seville(セビリアの理髪師)』の「Overture(序曲)」、シベリウスの「Finlandia(フィンランディア)」、ワーグナーの『The Valkyrie(ワルキューレ)』の「Ride of the Valkyries(ワルキューレの騎行)」といった楽曲の忘れ難い旋律とオーケストレーションが有する活力や情熱も、決して衰えを感じさせることがない。この魅惑的なコレクションには、これらを含むクラシック音楽の悠久の歴史を彩ってきた50の名曲が収められている。そして、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団も、偉大な作曲家たちの思いに応えるべく、世界で最も多才かつ最も優れたアンサンブルの一つとしての実力を存分に発揮している。